ブラック企業で働くと決めた

ブラック企業ブラック企業というけど、よっぽど余裕のある会社を除き、今ある企業のほとんどがブラック企業なんじゃないだろうか。

 

というのはさておき、来月からブラック企業(と、社員が愚痴る会社)で働くことにした。

働くと決めたきっかけは御多分に漏れず男だというのはここだけの話。

この人がいなければ、この人が声をかけてくれたのでなければ、わたしはここで働こうとはつゆほどにも思わなかったんだろうな。

 

大体、どこでどんな仕事をしようが今さらどうでもいい。

何をするかより、誰とするかの方がよっぽど大事。

あとは職場の雰囲気が良ければ、何時間だって働ける。

 

就職して間もない若者たちは、思うように休みが取れないことや有休をまるで消化できないこと、給料が安いこと、先が見えないことなどで「この会社で働き続けるって正直どうなんだろう」と思うようだ。

まったくもってその通りだと思う。

給料は同じくらいでも、きちんと休みを取れる職場もあれば、有休だって使い放題の職場もあるだろう。行けるところがあるうちは、何度でも転職して、自分の希望通りの職場も探すのだって全然ありだ。

わたしだって何度も職場を変わって、金銭面の交渉をして、雰囲気が気に入らなければ辞めて、を散々繰り返してきたんだから、「まったく最近の若者は」なんて、口が裂けても言えないよ。

 

そうやって散々わがまま放題やり尽くして、行ける場所もぼちぼち限られてきて、そうは言っても声をかけてくれる人もいて、なんて状態になった今は、目の前にあることをひたすらやるだけって感じ。

休みなんかあってもなくてもいい。

今目の前にある「やること」をどれだけ完成度高くできるか。

それに毎日チャレンジするだけ。

 

見ようによっては変わり映えのしない毎日、つまらない仕事だよ。

ちょっと前なら「こんな仕事してられっかよ」と、はなから選択肢になかったような仕事さ。

 

でもね、そうした仕事がわたしたちの生活を支えている。

つまらねえ、単調だと感じるそのことが、わたしたちの命を支えている。

 

人間が生きるにあたって欠かせないことを担っているという感覚が、どれだけ自分の「生きる価値」を支えてくれるのかをようやく実感できた今、この仕事に本格的に取り組めることが楽しみで仕方がない。

 

「ああ、生きてる!」って感覚がほしい。

それだけを追い求めて、あえて山あり谷ありな人生を送ってきた気もするけれど、生きてるって実感なんか、目の前でハプニングが起きようが起きるまいが、自分の中でいつだってしっかりと感じられるものなんだ。

自分の外へ探し求めていくような類のもんじゃない。

 

どんなときだって、目の前にあるそのものことが、自分にとっては最高で、自分が心から求めるものだと気付いたら、もうSomething Goodはいらない。

だからこそ、ブラックだろうが何だろうが、わたしが働くと決めたこの仕事が、今のわたしにとっては最高の仕事なんだろうね。

 

人のうわさや情報ももちろん大切だけど、最後の最後に信じたいのは、自分の感覚。

それだけ。